眠り続けた話

タツで眠り込んだ好きな人の隣に丸くなって寝た。
寝床がなかなか定まらなくてごそごそ潜り込んで寝た。
近いな。
触れても良いかなあ、と思ったけど起きてしまったら恥ずかしいのでずっとずっと迷っていた。
経験がないからこういうときどうして良いのか分からない。
普通この立場は逆だよなあと思いながら欲望だらけの僕どうしよう。
持て余す。
持て余してただどきどきとする。
うとうと寝たり起きたり繰り返して夢見心地の気分のうちに一度、いちどだけ軽く頬に触れる口付けをした。
それが精一杯で、近い寝息を聞きながらまたうとうととした。
犬か猫のように好きな人のそばに寄り添って眠る、
思い描いていたことがまたひとつ叶って、でもその願いを叶えてくれたことを知らないで懇々と眠り続ける好きな人がいる。
無防備に眠る。
眠る人を見るのも嬉しい。

昼過ぎまで二人眠りこけて起きたら昼間の三時だった。
結局猪木研究がただのプロレス観戦で終わってしまったので今夜も会えるので、今夜もまたご飯を食べたいなと思った。

くるりの「ロックンロール」を買って来てね、とお願いした。