金色のねこいぬ

白い部屋にいた。
引き戸を開けたら月だった。
波が静かに線を作る海に、ぶれていた。

揺れていた木の葉に乗ったらぶんと宙に浮かんだ。
どこまでも高く浮かんで宮殿に着いた。
三叉路になっていたので左手に進んだ。
突き当たりにあった宝箱を開けたらアヌビスの像が入っていたので
手に取ったら本物の犬になった。
腹が柔らかくて猫みたいなしなやかな犬だった。
金色のねこいぬだった。

ちいさくくしゃみをしたねこいぬを抱いてさらなる宝を探しに出掛けた。