スリーアウトチェンジ

兄と妹がすんでいた。

兄はやさしく、妹はうつくしかった。
兄はいつでも妹をゆるし、妹はいつまでも兄をあいしていた。

やがて兄はマチ町の古い一軒家に引っ越し、残された妹は婚約した。
婚約をしては破棄を繰り返した。
婚約者たちにたくさんたたかれたり、ののしられたりしたが彼女の意志は曲がらなかった。
何度でも恋をした。
いつも同じような男だった。

一軒家には兄の他に三人住んでいた。
自由気ままの気楽に暮らしていた。
ときどき、暮らす前のことが夢だったように思えた。
離れると妹のことをゆるせなくなりそうな気がしていたが、すべてどうでもいいと思えた。

そんな妹がマチ町にやってくることになった。