昨日のこと

ヨーロッパ企画プレゼンツ「ショートショートムービーフェスティバル」に行ってきました。

これはヨーロッパ企画という京都の劇団が、劇団員と一般公募から募集した五分程度のショートムービーを日替わりで各日約十本くらい流して各日ごとの順位を決めるという企画の第二回です。

日替わりゲストも豪華です。
東京では三日間開催して一日目は俳優の川岡大二郎くん、二日目は映画監督の本広克行さん、そして三日目はキセルでした。

会場が平らなとこに椅子だったので背が低い私は一番前に座ったのですが、キセルの友晴さんの隣でした。
久々に乙女回路はショート寸前でしたよ。


ムービーは自由部門とお題部門が交ざった形でおこなわれ、お題部門のお題は「ドラゴン」で、ファンタジーありクレイアニメあり、ブルース・リー等など全十作中半分近くが「ドラゴン」で、個人的には諏訪雅監督の、劇団を舞台にした作品が一番面白かったと思って投票しました。


ある劇団が次回作の公演について話し合っている。
作・演出家はノリで荒唐無稽な話を作り出し、主演俳優も自分が目立とうと盛り上がる。

「そして最後はドラゴンの背に乗る!」

と盛り上がった二人とは対照的に、そのドラゴンづくりという無茶な仕事を任された小道具たちは渋々ドラゴンづくりにとりかかる。
そして出来上がったのは紙でできたへろへろなドラゴン。
まあ、いいか。と迎えた本番、ラストシーン。

俳優は高らかにドラゴンをよんでその背にむけて飛び上がったけれど、はりぼてのドラゴンはあっさりとペシャり俳優はこけて観客は大爆笑、小道具たちも思わず笑ってしまうのだった。


と、こんな感じのお話でした。
本多力監督のドラゴンもよかったので迷ったのですが、一番作品としてまとまっていて面白く思えたのでこっちを選んでみました。
詰め込みすぎて説明不足のキャラがいたのが勿体ないとこでしたが。


全作品の上映が終わり投票の集計をしている間にキセルによるミニライブがありました。
本当に、本当にぜいたくな時間だと思いました。


その瞬間、自分がいる場所が深海になった。
次の瞬間、凪いだ海岸になった。
ゆらゆらと夢のような歌と音楽がそこにはあった。


新しいアルバム「旅」から「夏が来る」「庭の木」
の二曲を披露した後、ラストは高田渡さんの「鮪に鰯」をカバーして歌ってくれた
豪文さんの歌声と友晴さんの鳴らすノコギリの音は高田渡さんの世界をこわすことなくのんびりと愉快で少しもの淋しい雰囲気を醸し出していて、いつまでも聴いていたい気持ちになりました。

本当に、素敵な時間をありがとう。


そして夢のようなライブの後に結果発表、結果はなんと劇団員の作品ではなく一般公募のアニメーション?作品が一位を獲得していました。
なぜ?がつくのか…それは、その作品が全然アニメートしておらず手書きの絵をがたがた動かして撮って声を吹き込んだという暴れん坊な作品だったからです。(笑

他の映画祭では見られないこんな現象が起こるのもヨーロッパ企画ならではなかんじで面白かったなあとつくづく思いつつ、千円でかなり得したような気持ちになれた一夜でした。