雨の名前は

「雨の名前」という本を借りた。

日本全国四季折々の雨の名前が載っている本。
日本にはなんてたくさん綺麗な言葉があるんだろうと思った。
漢字を眺めているだけで情景が描けるし、響きを思い浮べるだけで気持ちの良いリズムを感じることができる。


夏だけでも

神立(かんだち)、喜雨、樹雨(きさめ)、銀箭(ぎんせん)、黒風白雨(こくふうはくう)、山賊雨、慈雨、翠雨(すいう)、日照雨(そばえ)、宝雨、天泣(てんきゅう)、虎が雨、婆威し(ばばおどし)、涼雨

など、とにかくたくさんある。
地方ごとに色々な呼び方がある。
島根県隠岐島では天気雨のことを「化雨(ばけあめ)」、と呼ぶらしい。
沖縄では夏に降る塩辛さを感じさせない雨を「くかるあまーみ」というらしい。

たくさんの雨があって、どれも同じものはないのだなと思った。
青い雨、緑の雨、冷たい雨暖かい雨、強い雨に弱い雨、恐い雨優しい雨、雨、アメ、あめ、だ。

たくさん言葉があってなんか嬉しくなった。
私は語彙が少ないので、こんなに豊かで美しい言葉に触れるとくらくらして頭のなかがぼわんとしてしまう。

ちなみに「婆威し(ばばおどし)」とは、長崎県南高来郡で夕立のこと、庭一面に豆でも干していたのか突然の雨にあわてふためくお婆さんの姿から来ているらしい。
昔話ぽくていいなあ。