t夢日記

女の子を隠した。

誰もこない工事現場の砂の山の上で、夜中になったら毛布と暖かい飲み物や食べ物を持って来るから待っていてほしいと約束した。

女の子はとりたて可愛いわけでも不細工なわけではなく、しかし平凡でもなく
黒い髪をまっすぐ伸ばして縁のない薄い眼鏡を掛け、控えめで質素だった。
薄暗いので彼女の表情は分からなかったけれど
嬉しいとも嫌だとも淋しいとも何にも言わずただこちらの手を握って頷いていた。

しかし
秘密にしていたはずだったのに、姉たちに見つかってしまった。
姉たち三人は女の子よりずっともっと派手で華やかな外見で、
茶色に染めた長い髪の毛を片手で梳きながら
細身のズボンをはいた腰を振りながら
近づいてくると私たちも手伝ってあげる、と言った。

乗ってきた大きな四駆の自動車の荷台からござやらパラソルやらを持ち出してきて大騒ぎをしていつのまにか自分が蚊帳の外になって工事現場の敷地からもはみ出していたことに気が付いたので家に帰って寝た。

起きたら、朝になっていた。
約束のことを思い出したらお腹がきゅっと痛くなって顔が真っ青になったが恐くなって女の子を確かめにゆくことが出来なかった。
外は晴れていて、暖かそうなのが救いだった。