待ち合わせ。

待ち合わせをするといつも陥る感情がある。
それは「キャンセルしてしまおうか」という気持ちで、待ち合わせの相手には会いたいと思うし会えばきっと楽しいということは分かっているのだけれどもなぜかそれはまた今度でもいいのではないかとささやく自分がいる。
「メンドクサイ」と呼ばれるその感覚は、ぼさぼさの髪の毛にスウェット姿で頭の中にぺったりと寝そべり「今日はやめにして一日中寝ていたらいいよ」と言ってくる。
あ、それいいな…と一瞬携帯に手をのばし掛けるものの、いかんいかんと立ち上がって顔を洗って洋服を出して着てお化粧をして髪の毛をしばってようやくメンドクサイを片隅に追いやることが出来る。
今のところは甘言に惑わされる事無く待ち合わせに向かうことが出来ているけれども、この「待ち合わせを億劫に思うことから生まれる、相手に対する申し訳なさ」の感情は、自覚してしまうと非常に悲しい。