hajiki2006-05-30

新宿で映画「ピンクパンサー」を見る。
注:ややネタバレ気味。


有名なサッカー監督が試合直後何者かによって殺され、はめていたはずのダイヤ「ピンクパンサー」も盗まれてしまうという事件が起こる。
事件を解決して名誉賞受賞をもくろむ警視はマスコミの目を無能な警部に向けさせその間に事件をこっそり解決しようと、有名な無能者のクルーゾーを責任者として抜擢するのだけれどクルーゾーは滅茶苦茶な捜査をしつつもいつの間にか事件の核心に迫っていくのだった、というような映画。

「今日はいい天気ですなあ」とテンプレートどおりのセリフを発しながらカーテンに近づいていってカーテンの隙間にいるスパイ(本当は誰もいない)に向かってチョップを繰り出したり
車を縦列駐車しようとして前後の車にぶつけまくったり
たまごを喉に詰まらせた秘書の口から大きく飛び出したたまごが外を走る自転車選手にぶつかってこけた選手が屋台に突っ込んでなぜか屋台が大爆発したり
まさに「迷」警部だなあと呆れるくらいべたべたにあほなことをたくさんやってくれて楽しかった。


また、後半「実はお前は無能だから警部に抜擢したのだ」という事実を告げられてショックを受けるクルーゾーが相棒のポントン警部に「・・・知ってたの?」とちょっと泣きそうな顔で問いかけるシーンがあるのけれど
このときのクルーゾー役のスティーブ・マーティンの表情は見ているこっちまで泣きそうになってしまうくらいキュートで、そこですっかり自分はクルーゾーに親しみを感じてしまっていたのだなあということに気がついてちょっと照れくさくなるのだけれどそういうキャラクターへの愛着を感じさせることのできる映画は好きだなあと思った。

相棒役のジャン・レノもトレードマークの髭をすっきり剃り落として堅物で真面目なポントン警部を好演していて間抜けなクルーゾーといいコンビだったと思う。
ビヨンセのかっこいい歌に合わせて踊るだらしない身体のおっさん二人の動きはとても珍妙で必見なシーンであります。


でも一個だけ残念な箇所があって、以前ショウビズカウントダウンで予告が紹介されていたときにクルーゾーがアメリカなまりを習うシーンでどうしても「ハンバーガー」という発音ができず「ヘンブーグー」とか「ハンブーウー」とか繰り返して、いらだつ先生に「ハン、バー、ガー!」と怒られふてくされて「・・・バカ」という日本語訳のとても面白いシーンがあったのだけどそれが実際に公開された映画では違う訳になってしまっていたというところがとてもがっかりした。