星になれたらいいな

台風が来るかもしれないから雨が降るよ、と言われていたけれど一日中雨をはらんだ曇りだった。

「雨が降りませんように」のお願いが今日も効いたのかな、と考えながら自転車を漕ぐ帰り道
バケツに泳ぐどじょうを横に外で竹のベンチを置いて甚平姿で飲み食いする人たちを見た。
少し先の道では拍子木を打ちながら道をゆく自警の集団に出会った。
開け放たれた居酒屋の入り口のドアからはナイター中継の音がして
立ち話をしていたおばさん二人が「もうこんなじかん、じゃあまた明日」と家に入って
帰り道に日本の夏が凝縮されている。

湿ってほんのり重い空気を割り裂きながら駅に着いて自転車置場に自転車を置いていたら団地のどこからか、リコーダーを練習するたどたどしい音が聞こえてきて夕暮れは暮れてゆくのだった。



今年も天の川は見られなかった。