ぽんたのじどうはんばいき

hajiki2006-08-03

人は誰にでも小さいころ大好きだった絵本があると思う。
それは誰もが知っている名作ではなくて、誰も知らないかもしれないけれど自分の中ではいつまでも残ってて
大人になったいま読んでみても懐かしい気持ちでいっぱいになってしまって子供に戻ってしまうようなもの。

イノウエさんにとってのそれはこの「ぽんたのじどうはんばいき」(加藤ますみ著・水野二郎絵)なのだそうだ。
うちの図書館には残念ながら所蔵していなかったので他区から取り寄せて夜寝る前に一緒に読んだのだけれども
本を開いた途端に、いかつい髭づらがちいさな子供の顔になってしまったのには驚いた。

おはなしは、人間のお里で自動販売機というものの存在をを知ったたぬきのぽんたが自分も自動販売機を作って
次々やってくる動物たちのお願い事を聞いてあげるというもので
水野二郎さんの描く動物がとても可愛らしく、ぽんたがやわらかそうで思わず触ってみたくなりそう。
ページに仕掛けがしてあったり、ラストもハッピーなのにちょっと切なかったりで本当に子供が楽しめることのできる絵本だと思った。

イノウエさんは、ライオンさんが王冠を出してもらって喜ぶシーンがとても大好き。

今はまだ私はまったく児童書がわからないので図書館雑誌などが発行するお勧めリストに目を通すだけで精一杯なのだけども
お勧めリストや定番絵本以外にも隠れた良作があって
人それぞれ思い出があって
ふと思い出したときに手にすることができると良いなあと、思ったのだった。
何百冊も本を読んだと自慢するよりも、たったひとつ「大好き!」といえる本に出会えるほうがいいよ。
それは絵本に限らず小説だって音楽だって漫画や映画だって同じことだけど。

みなさんの好きなお話はなんだろうか。
いろんな人の好きな本が知りたいなあ、というのも今働いている理由のひとつかなと思う。