hajiki2006-08-30

日曜、新宿で「時をかける少女」を観た。

高校二年生の少女真琴はある最悪についてない日、理科準備室で不思議な木の実の上で転倒する。
その日の帰り道、下り坂道で自転車のブレーキが利かず踏み切りで電車にひかれてしまう!と思った瞬間真琴は時を飛び越えて少し前の時点に戻っていた、という話。
夏にスクリーンで観るのがぴったりな映画。

心にズギャーン!とまではこなかったのだけど話の展開や映像のスピード感にどきどきした。
特に、自転車が止まらなくて足で速度を殺そうとするも靴が片方飛んでいき電車が向こうからやってくるのが見えるそれでも勢いは止まらなくて…のシーンと時を跳ぶシーンはまさにアニメでしかできない緊迫感や浮遊感があってよかった。
真琴が駆けてゆくのもきもちがいい。
たくさんでてくる人物たちがちゃんと役割を持って物語に関わってくるのも気持ちが良くて
某大作とどうしても比べてしまうのだけどこの脚本と演出にはかなわない。

時を戻すたびに事態が自分の予期しない展開になってしまってどうしよう、というのは「バタフライエフェクト」観た時も興味深く思った点。
しかも「時をかける少女」ではさらに「自分が災厄を避けていい思いをしている裏には誰かがそれを引き受けて不幸なことになっている」というのもあって、時をとぶのは大変なのだとつくづく思う。

関係ないけどタイムトラベラーものには「過去は変えてはいけない、変えたら未来の自分はいないかもしれない」というのと「過去を変えて未来も変える」というのがあって
最近は前者をわりと多く観ていて登場人物が過去を変えないために色々苦労して同じ時間に二人自分が!というか展開に慣れていたので
真琴がばんばん過去に戻ってやり直すのはリセットみたいだなあと思ったり
理科準備室で見た謎の人影は実は別な時間から飛んできた真琴なのかと考えていたら真琴のタイムリープは身体ごとじゃないから違うのでではあれは誰だったのかすごく気になった。
私があほなだけだけど。

学校や街の風景も、はっきりした色彩ではなくソフトでぼんやりしていて観る側の学生時代の思い出フィルターを刺激してくるのでいやらしいなあと悔しがりつつ学校は本当にいい舞台です。
でも真琴といつもつるんでいる千昭と弘介が妙に今風のいけめんなので、こんなかっこいいやつらがなんで放課後毎日きゃっちぼーるとか健全なことばかりやっておるのだー、とかおすぎみたいなこと考えてしまう自分がすごく嫌になりました。
あと真琴がときどきのび太みたいに見えた。
前に食べた夕ご飯の鉄板焼がまた食べたいから時を戻ったり解けなかった小テストをもう一回やり直して百点取ったり。
それから時をとんだあとかならず何かに激突して頭打つのは大丈夫だと思っていても見ていて心配になった。
どんなに転がってもパンツが見えないのはすごくいい。


変な感想。