へんな夕ごはん。

だんだん寒くなってきたなあと思う。
すると思考が一気に夏から冬に振り切れてしまう。
秋服を買うよりついもう冬服を買い始めてしまうのと同じように
夕ご飯何にしようかなあと思うともう「鍋」しか思い浮かばなくなってしまったのである。
食べ終わったあと思うと「炊き込みご飯」があったかと思うのだが、秋のご飯というとそれか「栗ご飯」くらいしか思いつかないので今日はよっぽど鍋が食べたかったのかもしれない。


大体鍋はいつも鶏鍋。
手羽を放り込んだ、だしはそれに任せて塩と醤油のシンプルな鍋がすごく好きだ。
それに白菜としめじとがんもを添えて、にんじんですこし華やかな見た目にする。
具がそれしか思いつかない。
お金があったら練り物とかも入れるくらい。
春菊はちょっと、苦手。


一人用の土鍋がくつくつ言い出して、急に吹き零れたのを慌ててふたを取ってひと煮立ちさせたら食べごろだ。
音を消したバラエティー番組を眺めながら小鉢に熱々の白菜をよそって図書館で借りてきた「ピアノ・レッスン」のサウンドトラックをかけながら一人で黙々時々「ハフハフ、ウメー」とかなんとか言いながら食べる鍋、なんていうか、へん。



へんだな、うん、へんだ。



やっぱりお鍋はみんなで集まってわいわい言いながら食べるのが一番おいしいな、と思いつつ余った汁でつくった雑炊に溶き卵を落とした今日の夕ご飯だった。