ヤキブタナイト。

スーパーで凧糸で縛られた豚の肉を買った。
焼き豚を作ろう、と思った。

レシピはネットで色々調べて適当にやることにして
どうやら葱がいるらしいけれど買い忘れたから玉葱でいいや、中華鍋に油をたっぷり入れて肉の味を綴じ込める。
じゅうぅぅ、ばちばち、油が跳ねてあっついなあ。
ちょっと挫けそうになる。

水に醤油と酒とみりんと砂糖を入れて玉葱も放り込んだ煮汁を作って肉を投入、ひたすら煮込む。
冷蔵庫にあった大蒜と生姜のチューブもチューっとやる。
ここまでで出来た煮汁の味はなんかばらばらで深みがなんか足りない。
なんとなく、豚を炒めた時の油と胡麻油をノリで加えてみる。
混沌。
怖くなってきたのでほっといて時々箸で肉を裏返したりしながらお風呂に入ったり本を読んだり。

アモス・ダラゴン」という外国のファンタジーのシリーズが児童室の本棚に並べてあって気になっていたので借りてみたのだけど結構好き、というか好き。
メデューサが可愛い……。
女子の会話も可愛いわあ。
何日かかけて五巻まで一気読みしたのでその間色々なことができなかった、ああ。
もうちょっと人気が出てもいいかも、とは思う。


そんなこと考えている間に焼き豚(むしろ煮豚?)はかなりいい感じになったので火を止めてさらに放っておいて冷めたら冷蔵庫、次の日ついに切って食べてみた。

店で売ってるチャーシューみたいだ!

家でもこんなんできるのだなあ、と思いながらもぎゅもぎゅ食べる。
うまーい。

感動したのでその夜、今度は肉屋で肉を買ってきて自分で凧糸巻いて焼いて残った煮汁に漬けこんでまた煮込んでみた。
すると次の日出来上がったのは、一回目の焼き豚っぽいのとは違って今回は角煮のような、それはそれは柔らかく深い味わいの何だかよくわからないものに仕上がった。
焼き豚は、実に奥が深いです。