松ヶ根乱射事件。

揚げたてのカリッとしたポテトより、ちょっと時間がたって保温されすぎてしなっとなったのが好き。
さびれかけたデパートの、ビニール袋に入れられたしなしなのポテト、そんなかんじ。

テアトル新宿で「松ヶ根乱射事件」観る。

ある、いなかの、事件。
天井を駆け回る鼠が気になる警官、ひき逃げした弟、ひき逃げされた女とそのやくざものの情夫、女にだらしなく暮らすお父さん、男たちの暗黙の共有物になってる女の子、
破綻しているものごとや関係が当たり前に受け入れられて在るのが田舎の恐いところで、主人公が狂気に静かにゆっくり浸されてずっとずっと低温な空気が揺らめく中をゆっくりいろんな感情が沈んでとぐろを巻いて、弾ける様がよかった。

いやだなこんな所こんな人たち本当にいやだこんなぬるまっこい地獄、と思いながら見ていたのだけども
ぼけた爺さんが「冷やすと貼りつきがよくなる」とガムテープを冷蔵庫に入れてるシーンは笑ったけど悲しくなる。
あと、主人公兄弟の目が印象的でした。
そしてひき逃げされた女性の話し方が、ほんと腹立つ、くやしい。