スカイ・クロラ

じつは初日に見てたのですがいまさら日記。

原作と違うとこがいっぱいあったそうですが未読の感想です。
ラブストーリーかどうかはそこまで感じなかったのだけど(私はラブストーリーとしてだったら「人狼」のほうがすきです)、とにかくいきなり始まる冒頭の戦闘シーンはびりびり鳥肌が立ちました。
映画館で見て良かった!って思いました、そりゃあ森先生も映画について聞かれて「もっと飛行機のシーンを増やしてくれてもいいくらい」と思うわあ。
全く戦闘機に詳しくない私も、迫力と細かい描写にびりびりきたので好きな人にはたまらないのでは。
後半の大編隊を組んで戦うところはもっとずっと見ていたかったぐらいです。

地に降りるとみんな人形みたいなきれいな顔ばっかりで一気に静謐な雰囲気になるのは不思議な気分でした。
だからなのか恋愛シーンには人間の魂のぶつかり合いとしての愛というより、人形みたいなうつろな体と心の人たちの中の一瞬の激情を見るような感じがしました。
人形ぽい。
日常生活がわりと淡々と進むのですが、ちょっと淡々が過ぎて冗長な気がしたのでもうちょい削って上映時間が短くなるか飛行機の時間が増えるとバランスが良いように思いました(脚本は監督じゃない人がやっているようです)。
淡々も、戦闘シーンになると一気にテンション上がるので良いのですが。

そういえば飛行場の空気とか戦闘機の中はかなり暑そうなのに、マスクや帽子を取ってもみんな全然汗かかないさらさらヘアーのも、不思議だ。

乗り物は子供のほうがうまく扱えるという他の物語でもよく見かける法則のなかに入れた、絶対勝てない敵、唯一の大人のパイロット、「ティーチャー」の存在は面白いと思いました。
でも存在が結局よくつかめないまま映画が終わってしまったのはちょっと勿体ないな(もっと戦いが見たかったという意味です)。
よくつかめないままといえば、「戦争がショー化している」という設定もちょっと掴みづらかったです。
企業どうしの喧嘩かと。
チラシのあらすじ読んだので前提としては知ってたんですけど。

ラストは晴れ晴れとした哀しさの余韻があって好きです。
空がきれいな映画でした。

声も色々言われてますが良かったです。
菊池凛子さんの声は、「大人として振る舞っているのに声質はちょっとまだ声変わり途中で高くて幼いのが残念な少女」って感じで良いような気がしました。
完璧すぎたら水素ちゃんますます人形ぽすぎて引いちゃっていたかもしれません。
ユーイチ役の加瀬亮さんも、ぼそっとした喋り声なのに聞き取りやすかったので良かったです。
思春期の少年ぽい。
ほとんどいやな感じの人はいなかったのですが逆に、トキノ役の谷原章介さんの声はとってもよくてびっくりしました!トキノのキャラが親しみやすかったというのもあるのかもしれませんが、うまいです彼!他にもどんどん色んなアニメや映画の声をやって欲しい。
上映前に流れた「ハンサム★スーツ」予告での「なんじゃこりゃー!」って言ってる顔も面白かったし、私の中ではかなり評価上がってます。