細木シロー。

風邪がずっと治らないので、山の上の診療所に行った。
その診療所は「すごいよ!マサルさん」のスーザンみたいな魂の抜けかけたじい様先生が院長で、いつもたいていじい様が担当なのだけど
今回は始めて見る、岸部シローが茶色く白髪染をしたような外見の先生だった。
先生が「薬は何を飲んでいたの?」と聞くので「葛根湯と、ス○ナです」と答えた。
すると先生は「ス○ナでねえ、肺炎になって死にかけ人が何人もいたんだけど、知らないかな」と淡々と言った。
曰く、風邪は喉や肺が炎症を起こしている状態、ストナは確かに鼻水は止まるけれどそれは脳みそに対して効いてるわけで、症状が軽くなるわけではなく軽くなったと思って放っておくと肺の炎症が進み肺炎で手遅れに、というパターンが多いのだそうだ。
ということを説明してくれたのだけど、話してる最中先生がやたら「死ぬよ」という言葉を使う。
「ス○ナ何回使ったの?二回?ならまだ助かるよ。毎日だったら死んでたよ」
「水は1日どのくらい飲むの、500ml?死ぬよ!あんたくらいなら2リットルくらい飲まなきゃ体のなかに悪い成分がたまって死ぬよ!」
あんまり死ぬよ死ぬよ、と淡々ズバズバ言うので、逆に楽しかった。


処方箋を持って診療所の隣の薬局に行ったら、まだ働いていい年のかと心配になるくらいのばあ様が乳鉢で薬をごりごりやっていて、イヒヒと笑えば魔女だなあと思ってたらその薬が自分に回ってきた。
シローが処方した魔女の薬、効きそうだなあ。


死なないように、とりあえず1リットルのポカリを買って帰った。