ホルテンさんのはじめての冒険

渋谷にて、ノルウェー映画「ホルテンさんのはじめての冒険」を観た。
タイトルから、ほんのりあたたか映画なのかと思ったら全然違っててそれが楽しくて良かった。


四十年勤めた電車の運転手の仕事の最後の日、ホルテンさんは遅刻をして乗れなくなってしまう。
心配する同僚「ホルテンが来ないぞ……あっ、いた!」
思わず逃げ出してしまうホルテンさん。
そこからホルテンさんの奇妙な日々が始まる。
とはいっても遅刻の理由からしてすでに奇妙というか可笑しいというかなのだけど
この映画は、唐突にさらっと挟まれる笑いの間の取り方が絶妙で、どれもこれも不意を突かれて笑ってしまった。
本当にさらっさら挟んでくる。
今日はとっても寒くて道が凍って人が真っすぐに立てないくらいですよ、とトイレで人に話し掛けられた次の瞬間にカットが変わって斜めに傾いだバイクとバイク乗りがズルルーッと坂道をなすすべもなく滑り落ちてくるのを無言で眺める街頭にしがみついたホルテンさんのカットは、特に面白かった。
こんなことを真面目に脚本に書く人も、真面目に演じる人もすごいなと思ったけど、ふざけてるように思えるシーンをたくさんつなげつつ、さりげなく実は大事なシーンや小道具をはさんで
基本ややこしいことからスタコラ逃げちゃうホルテンさんが、最後に向き合うのは何か?というのがちゃんと描かれていて良かった。


久しぶりに映画行ったけど、好きな映画で良かった!