サーフブンガクカマクラ

海が見たいの、と可愛い子ちゃんに誘われたので鎌倉にいく。

雨が降る予報だったのが一日先にずれて、当日はほのかに晴れて日ざしは暖かく、嬉しくなり心が弾んだ。
藤沢から江ノ電に乗り、江ノ島駅で降りて江ノ島に、歩いて渡る。
島にいる猫は、みんな大きくて太っていて、焦げたコロッケみたいな毛並みをしている。
触り放題の、撮り放題。

山の上の神社を回って下山して、行列のしらす料理屋「とびっちょ」で昼ご飯を召す。
途中で行列に並ぶのを厭った男性二人組が現れ「俺らとしらすっちゃわな〜い?」とすでに並んでいた女子大生グループに声をかけ軟派をするのを見る。
ふざけた文句ながらなぜかそれが成功し、なおかつちゃっかり並ばず一緒にしらす丼を召す光景に軽くいらだちを覚えたが、採れたての生しらす丼は、じつにうまし。

腹が満ちたので腰越駅まで歩く。
海が無い栃木県民の、海に来たときの喜びとはしゃぎぶりは筆舌にし難い。
どこまでもゆけそうなきがした。
腰越駅からまた江ノ電に乗り、鎌倉高校前駅で降りる。
映画や漫画で見た風景と同じだね、と感極まる。


しかし、坂道に挫けて鎌倉高校らへんは見ないでまた線路に沿って次の七里ヶ浜駅まで歩く。
フリーパス万歳、由比ヶ浜駅で降りて鎌倉文学館へゆく。
独り言をつぶやくチャリンコじじいにびっくりさせられる。
鎌倉文学館は中より外観が素敵で、地元だったら晴れるたびに弁当を食いに来たい雰囲気。


甘いものを体が欲してきたので由比ヶ浜から終点鎌倉。
駅のそばの、分厚いホットケーキが魅力的なイワタコーヒーは外まで人が並ぶ混みっぷりで萎えたので
うろうろするうちに導かれた老舗カフェ、ミルクホールでようやく足を休める。
プリンが真四角で固めで懐かしうまし。

鳩サブレで有名な豊島屋本店がある通りは桜並木が満開で圧巻。
桜はもたもたぼったり咲いてるのが好きだけれど、さらっとたくさん咲いているのも見応えがあってよいよい。

鳩サブレキーホルダー、通称「鳩三郎」と鳩サブレマグネットを買うと夜になったので旅が終わった。
有意義な旅になって良かった。
まこと、サーフブンガクカマクラ。