終わりがくる気配

「煙草を買いに、そして友人のうちにゆくのです」
そういってじゃあまた、とあっさりゆく人の背中を見ていたらどきどきが思い出せなくなったので
終わりを思った。

どきどきがなくなったら安心で穏やかな気持ちが満ちると思っていたので、ぽかっと穴が開いた。

階段を一段上るごとに一段沈んでいつまでたっても階段の真ん中を足踏み続けた。

やめたら沈んで埋まっていった。
腰まで埋まったら気持ち良かった。
また終わりを思った。