乾ク。

ひとりごちられよ、と声がしたので湖の端にしゃがみこんで水面を覗いたけど
ぬめっこそうな深緑と焦げ茶色のもやもやしか見えなかった。


ひとりごちられよ、と声がしたので振り返ったら赤と黒の混ざった霧がたちこめていてその奥に小さい人影が見えた。


星の砂の砂漠を抜けるとコンクリートの建物が乱立するスラム街になった。


建物と建物の間を紐で繋いで洗濯物がたくさん干されていて見上げたら建物と建物の隙間から四角い白い空が見えてまた
ひとりごちられよ、と声がしたのでいい加減舌がひりひりとした。