擬体のわたし

昨日、映画「イノセンス」と関連の球体関節人形展観てきました。

映画は視覚的な、画面の、鳥肌が立つ美しさにただ見入って圧倒されてしまって話を理解しきれなかったかんじでしたが、雑多なのに幻想に飲み込まれるよな雰囲気がすきです。

ひとそれぞれだと思いますけど。

人形展は閉館一時間前に飛び込んで見たのですが私は人形と人間の相容れない境目感が好きなので、限りなく人間に近いけど魂はない中性的なものに惹かれました。
好きな人は人間ぽい生々しい人形に衝撃を受けていたようです。

人形をじっと見つめながらときどき、こっそり、自分が人形で人間になれなかった同胞を見下ろしているような気持ちになったりしました。

可哀想ね、と思ったり感情なく横たわる姿を羨ましく思ったりしました。

帰りに下北に寄ってくるりの新しいアルバムと漫画を買って
「椿」というもつ焼きやさんで軽く飲んで焼き鳥食べたあと「駅」という焼き鳥やさんにはしごしてやっぱり焼き鳥を食べました。

風邪でお腹が痛いのに付き合ってくれて嬉しいなと思うのに、わがままばっか言って困らす自分がいやになりました。

人形のように横たわる姿を愛しく思う反面一人で寝入る姿を物足りたく思ったり
それじゃなんかわたしただのエロがきみたいじゃないかと頭を抱えたり
だけど触れられたら結局、風邪なのになにやってるのか早くお腹治して元気になってからいっぱい遊んでよと背中を向けてへそを曲げたり
理由がないことでへそを曲げたり怒ったり実に情緒不安定で、ただこども。

背中をむけながら、今振り向いたとき好きな人が目をあけて見つめてくれてたらなにもかも謝ろうと思ったら寝入っていて少し悲しくなったりしました。

理由が自分でもよくわからないもやもやで時間を食い潰したり嫌われるのも勿体ないので懐に潜り込んだらうっすら目をあけて嬉しそうに微笑むのでごめんね、とひとこと言って寝ました。

じつにややこしく面倒な女のこであると思う。