いま、三時から「王様のレストラン」の再放送がやっていて毎日楽しみにしてます。
千石さん、渋い…。
やっぱりドラマはキャストや話題よりお話と演出で釣ってほしいなと思います。

ドラマは映画やお芝居とは違って十二話くらいの広い枠に収まるものだから、毎回楽しんで魅せることのできる人物像や世界観がある作品が好きです。


そんなことを考えつつ、今日はシネアミューズで「ウイスキー」という映画を観てきました。

ポスターや宣伝文から受ける印象から、わりと明るいコメディーもの?と思って観に行ってみたら結構暗いというか淡々とした押さえ目ないい映画でした。


ウルグアイで小さな靴下工場をで営む主人公ハコボがある日母親の一周忌に墓石をたてることになり、長い間ブラジルにいた弟を立ち合わせるため呼び戻します。
それにあたって工場で働いている女性マルタに妻役を二、三日演じてくれないか?と頼むわけですがこの映画は「偽夫婦がいつバレるか、どきどき!」な映画ではなく
寧ろ「偽夫婦」のぎこちない会話や雰囲気のなかから
寡黙で強情なハコボと
機械的に繰り返す毎日を送るマルタ、
そしてハコボとは逆にブラジルで靴下事業に成功した社交的な弟、
三人の姿を少ない会話と抑えた映像で丁寧に現わしていて説明的なあざとい演出がないので観る側はしっかり自分で観察して噛み締めて味わうタイプの映画のような気がします。

ちなみに、監督は三十歳らしいということを聞いてびっくりです。
自分よりすごく年上の役者さんを動かしてリアルな感じを出せるのはすごい力量かもしれませんね。


でも私はもうちょっと観終わったあと心にほっこり暖かいものが残る映画が好きかな、とも思いました。