ジュビリー

実家から食料などが送られてきた。
昨日誕生日だった弟が防衛大学に行っていて、そこでレトルト食品が支給されるのだが余り気味のため実家に送ってきたのをこっちに回してくれたのだ。

弟は、本当は普通の大学生になりたかったのに今は想像していたのとはまったく違う辛い毎日を頑張っている。
日本国民を守るためではなく家族を守るために頑張っている優しい子なのだ。
だから、姉の私はのんびりにこにこしながら幸せに生活できているのだと思う。

荷物の中にはお婆ちゃんからの手紙と、お小遣いが入っていた。

「少しだけど、使ってネ。
もっとあげたいのだけどばあちゃんにもいろいろ出る所があってごめんネ。
体を大切にがんばって下さい」

お婆ちゃんはちっちゃくてとても可愛い人だ。
お爺ちゃんが生きていた頃はよちよち歩きの私をたくさん公園に連れてってくれたので私はかなりお婆ちゃん子に育った。
年寄りを敬ったり尊敬したりする感情は、お婆ちゃんとお爺ちゃんから教わった。
本当に大事なことはみんな、身近な人やものを見ていたら学べるような気がする。


思えば家族だけじゃなくて、たくさんの人に優しくしてもらっている。

直接でも間接でも、優しくしてもらったり何気ない一言が嬉しかったり
そういう時に感じた気持ちはずっと覚えていられたらいいと思う。
すごく頑張ろうという気持ちが湧いてくる。



「生まれてきてくれてありがとう」と、
曾孫を抱いたお婆さんがそう語り掛けているのをテレビで見た。
命がつながっているのが見えたような気がした。