博士の愛した数式

新宿で「博士の愛した数式」を観る。

事故で、記憶が80分しか保たない博士と家政婦とその息子の交流の話。

私は数学が苦手で高校時代をなんとかやり過ごして一生数学の楽しみなんてわかるまいと思っていた。
実際、数字は生活の必要程度にしか意識していなかったし面倒な計算は電卓やパソコンで大体できる。
数学が好きな人や理系のひとたちはなんだか文系の人とはまた違って理屈っぽくて鈍感そう、とすら思っていたのだけど
博士は数字と愛を交わすことができ、記号でしかないと思っていた数字の中に隠れていたロマンチックな繋がりをたくさん教えてくれた。
階数、とか未知数、とか懐かしいことばは成長した家政婦の息子役の吉岡秀隆くん(ぴょんとはねた寝癖がキュート!)がやさしく解説してくれるので楽しい授業気分にもなった。

また家政婦役の深津絵里さんがすごく可愛らしい。
彼女はいつも裾を二重に折り返したジーパンをはいていて一見、生活が大変な様子が伺えるのだけど
いつも着るセーターの若草色や桃色やクリーム色が鮮やかで、それが春の溌剌とした空気や美しい自然に映えて
そして何より、博士の発見に目を輝かせて喜ぶ笑顔が素敵で、私は、胸がぎゅーっとなったのでした