かっこいいぜブックカバー

昨日夕方大雨が降った。
家に着いてみると、あちこち窓が開けっぱなしだったせいで水が至る所に吹き込んでおりひどい有様だった。
特に、寝る部屋に吹き込んだ雨はひどいもので窓辺に置いていた小説が水浸しになっているのを見たときにはもう、思いがけず「ぬわーーーーー!!!!!」とパパスな声が出て膝の力が抜けへたりと座り込んでしまった。
うおおん、何てことだ昨日手元に欲しくてつい買ってしまった「アドバード」(文庫だけど950円くらいした)が4ページしか読んでないのにお亡くなりになった……と重い悲しみに暮れながらびしょぬれでくたくたになった書店のブックカバーを剥いでみたのだが
剥いでびっくり、中身はおろかカバーまでもが全然濡れてない……ッ、ブックカバーはずぶずぶのべろべろなのに……!
格好いいよお前、漢だよあんた、この、この仕事人めッ!
紙ブックカバーがこんなに偉いとは今まで思わなんだ、えらい感動して感謝して私は戦士の遺体をそっと丁重にごみ箱のなかに奉り本を押し入れにしまったのであった。
ついでに、隣にあったカバーを掛けていなかった十年来の愛書がしっとりとお亡くなりになっていたのはもうそろそろ新版に買い直しても悔いないかも(イラストレーターさんも変わらないし)と思えたのでそんなにショックではなかった。