詮の無い話。

細くて長い蛇を捕まえた。
紐でくくったら胴体が千切れてしまって途方にくれた。
道を行く人が口々に「皮を剥きなさい」「それはあなたの仕事でしょう?」と言うので困惑しながらも途切れた蛇の皮を剥くことにした。
千切れた胴体からは血が流れていたがしばらくすると血は止まり、深い紺色と緑色を足したような色だった蛇の胴体が薄い桃色がかった白い色になった。
うろこが虹色に光ってたいそうきれいだなと思った。
皮は魚肉ソーセージのビニールをはがすような感覚でするすると剥けた。
自分が剥いている胴体は千切れた頭側なのか尻尾側なのか、結局わからなかった。
虹色の長い長い紐のような蛇の胴体の皮をいつまでもするすると剥き続けた。