マーチ。
こんにちは、二十と四つめの年を重ねた新しいわたしです。
昔から二十を過ぎた自分というものが想像できずそれ越したらゲームオーバー、またはコンティニューとなんとなく思っていたので
何年たっても中身があまり変わらず外装と世界ばかりが急激に変わっていく感覚には時々ちょっと息苦しくなります。
楽しいことも嬉しいこともただ体のなかを通り過ぎてゆくようで、手を伸ばしても雪のように溶ける
まっしろい世界にぼんやりと傘を差してたたずんでいるようなこの気持ちは
長くどこまでも続く細い道と地平線と青緑色の深い色の空が広がる永い夢のようです。
そういう内にひとりぼっちな気持ちのときは、ぎゅっと口元をひきしめて
ぽんぽんとお腹のあたりをやさしく叩きます。
てのひらからなにかを出しているような気持ちになってぽんぽんとやって軽く撫で擦ったりします。
じわじわこそばゆいものがだんだん染みだしてきて「うひっ」となったらあったかくなってきて目の前に白くきらきら輝いた、でもちょっと寂れた高い塔が見えるとなんとなく
いつか私はそこにゆくのだな、という気持ちになってなぜだかいつしか落ちついてゆくのです。
ときには見ていて悲しくなったりするときもある、不思議な塔です。
そしてまた堕ちて繰り返して年を重ねていくのだと思います。
お酒のせいにしておきます。